2020年3月現在、終身雇用制度はすっかり過去のものとなりました。転職支援サービスや転職者向け求人掲載サービスのCMや広告をまったく見ない日はないでしょう。体感として人材の流動性が高まったとはいえ、日本の労働者全体を俯瞰的に眺めると、転職率が急激に上昇した事実はなく、毎年およそ20人に1人が転職しているという状況です。
とはいえ、あくまで全体を見ればという話であり、20代~30代の比較的若い世代であれば、自分を含めた周囲の人の相当数が転職をしているということも珍しくないのではありませんか?
近年はワークライフバランスを重視した働き方が推奨されており、現在勤めている会社に強い不満はなくとも、漠然と「転職したいな…」と考えている人も相当数いるといわれています。
自分のスキル等を鑑みて、今よりも良い待遇を求めて就職活動をすることは良いことです。転職活動を機に自己を見つめなおすきっかけになるうえ、仮に転職には繋がらなかったとしても、転職を見据えてスキルを磨き、資格を取得するなどの行動を起こすことで今いる会社で評価される可能性があります。
これから求められるスキルは?
これまでのビジネスの流れ、そしてこれからの予測を踏まえると、どのような職業や企業に就職するとしても、英語スキルは必要不可欠になるといえます。
グローバル化の流れは不可逆的に進んでおり、成熟しきったきらいのある国内市場よりも国外市場の方が発展の余地があることは言うまでもありません。
英語スキルとひとことで言っても、リーディング、ライティング、スピーキング、リスニングの4種類に分けられます。外資系企業に就職するのであれば当然、この4種類すべてのスキルを高める必要がありますが、たとえば外国人観光客をメインターゲットにした販売店であれば、最低限スピーキングとリスニングの能力があれば業務をこなすことが可能です。
日本人は英会話の能力が低い傾向があるため、ビジネス向けの英会話教室に行けば効率よくスピーキングとリスニング能力の両方を上げることができるでしょう。
ほかにもTOEICの勉強をすることもおすすめです。TOEICのスコアは自身の英語に関する技能を客観的に示すものとして扱われ、企業や職種によっては規定値に満たないスコアの応募者は書類選考で落とすこともあります。就業できる企業や職種を増やすためにも、TOEICの勉強をし、受験をしておくことをおすすめします。
英語を使う職業の例
<ITエンジニア>
実際にITエンジニアとして働いている人の中には「プログラミング言語が共通言語だから」と言う人もいますが、システムの設計などを行う上級者になると、仕様書を読み、クライアントの意図をくみ取ってどのようなシステムを作るか考える必要があります。外国からの発注となると、仕様書は英語で記述されているため、リーディングスキルが問われます。場合によっては仕様に関しての質問や報告を英語で行う必要があります。
リーディング、ライティング能力があれば他のエンジニアとの差別化ができるでしょう。
<通訳>
「AIが発展するから通訳は必要なくなる」とする風潮もありますが、実際のところAIがそこまでの水準に到達するにはまだ時間が必要だと考えられています。近年は日本語を英語に翻訳する「日英翻訳」の需要が高まっており、日英翻訳案件の報酬が高まっています。
通訳になるには単純な英語に関するスキルだけではなく、文化的な背景やものの考え方にも精通しなくてはなりません。独学で通訳になることは現実的ではないため、こちらのような通訳者養成前提の英語専門学校に通学することをおすすめします。社会人・大学生向けの1年制コースもあるため、短期間で効率的に勉強が可能です。
<貿易事務など>
商社やメーカーなど、輸出入に関わる事務処理を行う職業です。輸出入に関することがらには専門用語も少なくないため、業種や業界に特化した勉強も必要です。「貿易実務検定」という資格を持っていれば未経験でも採用されやすくなります。
貿易事務とは別に、海外勤務者に関する事務手続きを行う事務職も存在します。そちらは主にリーディング技能が重視されます。
いかがでしたか?これらは比較的高収入を狙いやすく、英語スキルを活かしているという実感を得やすい職業です。
このほかにも英語スキルを活かせる職業は数多くあります。今後転職を考えている人もそうでない人も、英語スキルを向上させておくことでより良い条件で転職できる可能性があります。時間のある時に勉強をし、まずはTOEICを受けることをおすすめします。